文学ファイター

毛利蘭「あれ?私、もしかして美人で巨乳じゃね?」

名探偵コナン「あれ?俺、もしかしてアニメのキャラクターじゃね?」

名探偵コナンというアニメを知っていますか?知ってるよね?私が子供の頃からあるし、今もテレビでアニメやってるし映画化もしょっちゅうされているので、アニメや漫画に興味がない人も、名前くらいは聞いたことがあると思う。ちなみに原作は漫画で、今もサンデーという名の週刊誌で連載が続いています。

念の為、簡単にストーリーを紹介します。天才探偵の高校生である主人公が、謎の組織に謎の薬を飲まされて、体が小さくなってしまった。「見た目は子供、頭脳は大人」になった彼が、週一ペースで偶然事件に出会い、その事件を解決する、っていうアニメです。

そして、ネットのネタで「名探偵コナンが、自分がアニメ/マンガのキャラクターであることに気がつく」というのがあります。頭が良いですしね、コナン君。そして、確かにコナン君の周りには冷静に考えるとおかしな所があります。

一番大きいのは週一ペースで事件に遭遇することでしょう。偶然にしてはできすぎてる。でも、それ以外にも彼の周りの状況がすでに出来過ぎているのです。まず、ライバルの高校生探偵が関西人。なにこのコテコテの設定。そして、このライバルの関西人は剣道の実力が最強クラス。コナン君の近所に友達の博士がいる。しかも、たまに便利な発明品をくれる。なにそれマンガかよ?マンガだよ。彼女の高校生が美女。巨乳。たまにお色気シーンあり。そして、彼女の父親が偶然探偵。そして、その探偵のおっちゃんつながりで良く事件に遭遇するんだけど、事件の多くが殺人事件。普通の探偵事務所はそんなに殺人事件に絡まない。そういえばライバルの関西人の彼女も美女。あと、たまに怪盗キッドっていう高校生の怪盗も出てくる。高校生で。怪盗って。しかも「キッド」って。アニメかよ?アニメだよ。そういえば、巨乳彼女の親友が有数なお金持ちの娘。そして、お金持ちの娘の彼氏が化物クラスの格闘センスを持つイケメン。出来過ぎだよ。この世界はできすぎてるよ。

というわけで、ネットでは「そりゃあ、あんなに出来過ぎな世界だったら、自分がアニメのキャラクターだと気づかない方がおかしい」という話になるわけです。そりゃ私も可能であれば天才的な頭脳を持って生まれて、関西人のライバルと、巨乳の美女が欲しい人生だった。むしろ、なんで私達のこの世界にはライバルが関西人で、彼女が巨乳美女という出来過ぎな状況が起きないんだろう。

まあ、冷静に考えれば私達の世界もそこそこに出来すぎてる。例えば「地球」という、生命が生存できる状況が整った星が偶然生まれる確率。めっちゃ低い。死ぬほど低い。奇跡。関西人のライバルと巨乳の彼女ができる可能性よりも全然低い。週一ペースで殺人事件が起きる可能性といい勝負か、むしろ地球が偶然生まれる可能性の方が低い。で、その世界でたまたま「人間」という、頭脳を発達させることを選ぶ生命が誕生する可能性。めっちゃ低い。ほんとーに偶然恐竜が絶滅してくれて、偶然哺乳類が生き残って、なんか偶然二本足で立ってみて、たまたま火を怖がらずに使って、なんかのきっかけで言葉を話すようになった。奇跡奇跡の連続。ずっと俺のターンならぬ、ずっと奇跡のターン。あまりの奇跡の連続で、羽もないのに自分が作った道具「飛行機」で空も飛べるし、電話で離れたところの世界中の人と話ができるし、最終的にアニメ「名探偵コナン」を作って、ネットで『コナン「あれ?もしかして俺、アニメのキャラクターじゃね?」』っていうネタを作るほどの状況に至る。怒涛の奇跡。

というわけで、もう分かってくれたでしょうか?実は私達のこの世界も「作り物の世界」なんです。

そして、今私が「実はこの世界は作り物の世界なんです」って言ったことに対して、あなたは今頭の中で「はいはい、ネタでしょ」って思ってるんだろ?どうせ。で、多分、反論としてこう思ってる。「そんなのリアリティが無ぇよ」と。

知らなかったわー。私、バカだから「そんなのリアリティがない」が反論の根拠として使用できるとは知らなかったわー。そりゃあ地球が平らだと思ってた昔の人も、ガリレオが「地球丸いよ?」っていう主張に「そんなのリアリティがない」という根拠で、ガリレオを牢獄に入れるわ。そうなんだ。じゃあ、皆、当時の「地球はタイラだよ」派と同じ立場なんだ?だって反論が「そんなのリアリティがない」だもんね?

自分がアニメのキャラクターだと疑ったコナンくんも、多分、巨乳の彼女に「俺達、アニメのキャラクターかもしれない」って相談したら、巨乳の彼女はコナン君に言うんだろうね。「そんなわけないじゃない。そんなのリアリティがない」。そして、コナン君は納得するわけだ。「そうだな。確かにリアリティ無いな。冷静に考えれば、関西人のライバルがいるとかよくあるかも。巨乳の彼女もきっと皆いるんだ。皆、週一ペースで事件に巻き込まれるし、近所には博士が住んでいて、たまに発明品をくれるんだ。怪盗キッドとか言う敵も、そこら中にありふれているんだ。こんなことはよくあることだ」と。

そして、「私達のこの世界は作りもの」というのも「リアリティが無い」のだ。そうなんだ。じゃあきっと地球なんてありふれているんだ。多分、地球みたいな星は宇宙中にボコボコあって、人間みたいな知能型の宇宙人もゴロゴロいるのだ。まだそんな星はひとつも見つかってないけど、絶対にありふれているんだ。だって「私達のこの世界は作り物」なんてリアリティが無いもんね?地球は平らだもんね?

こんなことは言いたくはないけれど、あなたはバカなんだよ。正確に言えば、あなたは子供の頃はバカではなかったけれど、大人になるにつれて、どんどんバカになっていってるんだよ。どれくらいバカになってるかというと、私が最初にコナンが自分の世界をフィクションだと気づく、っていう話をした時に、「あ、じゃあ私達のこの世界も作り物の可能性があるな」っていう事に気づけないくらいにバカになってるんだよ。

あなたは、大人になるにつれて、子供の頃より頭が良くなったわけじゃないよ。あなたは大人になるに連れて、この作り物の世界に過適応しただけだよ。だって、子供の頃のあなたは、寝て朝起きたら、妖精の世界に迷い込んでいる可能性を当然のごとく考慮に入れていたし、街中でモンスターに襲われる可能性も、当然のごとく考慮に入れていた。この"「作り物の世界」が突然姿を変える可能性"を当然考慮に入れていた。それなのに、この「作り物の世界」に過適応したあなたは、世界の姿が変わる可能性をどんどん考えなくなっていき、誰かが作った、ただの「作り物の世界」に適応し、そこに安住しているのだ。

あなたが唯一まともだったのは、子供の頃だけで、あなたは大人になるに連れ、どんどん作り物の世界の作り物の知識を溜め込み、結果あんたは今バカだ。

大体「中二病」の現象も冷静に考えてみればおかしくないか?第二次性徴で体つきが変わり、精神状態が不安定になる、っていう理屈になってるわな。で、精神が不安定になった結果、「俺の邪眼がうずく」的な、後から冷静に考えると意味不明な世界観にどっぷり浸かるわけだ。なんでこの時期に想像力が増幅され、遂には現実の自分の行動に反映されるまでに至るの?普通、二次性徴で大事な時期って言うことは、むしろリアリストにならなきゃおかしくない?だって、これから子供を作れる体になるんだよ?子供を守るためには夢とか見てる場合じゃないじゃん?なのに、システムとして人間は、この大事な時期に「想像力を増幅させる」という方法をとってる。なぜか?きっと遺伝子は知っているのだ。「この"作り物の世界"は突然姿を変わりうる」と。そして、その時にリアリスト、つまり「この作り物の世界に過適応」していると、世界が突然姿を変えた時に生存できずに死ぬ可能性が高いのだ。私達は認識してないけれど、遺伝子は知っているのだ。「この世界は作りものだ」と。

この世界が何のために作られた世界で、作ったのは誰なのか?

それくらい自分で考えろよ。てめぇの脳みそは飾りかよ。

この世界が作り物ってことは、この世界のすべてのものは、この世界の作成者の意図があるってことだ。この世界はあらゆるところにヒントがあるのだ。あなたの周りのすべてのものが、この世界の意図の、この世界の作成者のヒントなのだ。

一見、ものすごく壮大なことを言っているように見えるけど、実はものすごく単純だよ。

小説は好き?ミステリーは読む?この話には、膨大な登場人物と膨大なヒントと無限の可能性がありすぎて、そもそも推理が不可能な気がするかもしれないけど、冷静に考えれば実は登場人物は限られてるんだよ。

名探偵コナンも言ってましたしね。「あらゆるものを冷静に判断すれば、全ては一本の線につながる」って。まだ分からないの?私が犯人だよ。

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