文学ファイター

「1 + 1 は?」「2」「ぶー!田んぼの田でしたー!!」

あなたの子供は深い質問なんてしていない

汚れちまった心を持つ大人の皆さんこんにちは。大人な皆さんは、どうせ結婚して子供とかいるのでしょう。で、たまにその子に子供ながらの純朴な質問をされて、それが良く考えると、とんでもなく深い質問で「あれ、うちの子天才じゃね?」とか思っちゃったりするのでしょう。

私も幼児の頃、大人にどうでも良いことを質問していました。そして、大人が答えに窮していると「あれ?もしかして知らないの?大人なのに?」と思っていました。

つまり、みなさんが「うちの子天才か!?」と思っている一方で、あなたの子は「うちの親バカか!?」と思っている可能性が無きにしもあらず。

それに、子供はそもそも深い意味の方の質問なんてしていません。表面的な意味の方の答えで十分満足します。例えば
「花って何?」
って聞かれたら、回答は
「花びらがある植物のことだよ」
くらいないい加減な回答で良いのです。これくらいの浅い回答で子供は満足するのです。

さて、ここからがテストです。次の子供の質問に10秒以内に答えなさい。

「愛って何?」

――考えました?10秒以内に答えられました?模範解答は「大好きよりも、もっと好きってことだよ」です。これ以上深い説明とかいらないんです。この模範解答で子供は十分満足なんですよ。それを何勝手に重い質問と受け止めて、固まっちゃったりしてるんですか?10秒以内に答えられないとか、大人失格ですよ。罰として奥さんと子供は私がもらいます。あなたが夫ではなく妻である場合は、私と結婚しなさい。え?嫌だ?別の問題を出せ?次は即答してみせる?よかろう。問題第二問です。次の子供の質問に10秒以内に回答せよ。

「真実の愛って何?」

あれ?まさか10秒以内に答えられないとか無いですよね?だって大人ですもんね?即答できますよね?模範解答は「嘘じゃない愛のことだよ」です。はい、答えられなかった夫の方は、奥さんと子供を私にください。答えられなかった妻は私と結婚してください。は?別の問題?今度こそ即答できる?正直、皆さんの大人力では無理だと思うんですけどね。まぁ、それほど言うのであればもう一つ問題を出しましょう。問題第三問です。次の子供の質問に10秒以内に回答せよ。

「相対性理論って何?」

あれ?ちょっと待ってちょっと待って?こんな簡単な問題に回答できないの?ほんと、マジであなたには大人になる権利なんてないよ。模範解答は「ものすごく頭のいいおじさんが考えた、ものすごく難しい理論だよ」です。正直、3問とも不正解だった皆さんは、ちょっとマジで問題があるので、以下に子供の質問例と、その模範解答を列挙しますので、これを見ながら勉強してください。最後にテストもしますよ。

「夢って何?」
「寝てる時に見る世界のことだよ」

「親友って何?」
「普通の友だちよりももっと仲の良い友だちのことだよ」

「サンタさんているの?」
「いろんな説があるよ」

「私の事好き?」
「好きだよ」

「私の事大好き?」
「大好きだよ」

「私の事愛してる?」
「愛してるよ」

「本当に?」
「本当だよ」

「最近帰りが遅くない?」
「仕事が忙しいんだよ」

「最近あなたのスーツから女性物の香水の匂いがするんだけど?」
「同僚に香水のきつい人がいるんだよ」

「この長い髪の毛は何?」
「電車で誰かの髪の毛がついたんじゃないかな?」

「それ、キスのあとに見えるんだけど?」
「蚊に刺されただけだよ」

「じゃあ、私が探偵を雇って撮ってもらったこの写真は何?」
「何かの間違いだよ」

「人類はどこから生まれてどこに進んでるの?」
「人類はお母さんのお腹から生まれて未来に進んでるんだよ」

「最近の東アジアで頻発している領土問題に関して大人の立場でどう思う?」
「難しい問題だと思うよ」

「くっくっく……!!貴様がこの【子供】と言われる存在の親か?」
「そうだよ」

「もし私がこの【子供】の肉体を奪った別の世界の存在だと言ったらどう思う?」
「びっくりするよ」

「ふはははは!!どうした!?その程度の力しかないのか!?」
「まだヘソクリがあるよ」

「ば、馬鹿な!?どこにまだこれ程の力が!?」
「カラ元気だよ」

「まさか貴様……能力者!?」
「英検4級だよ」

「生きる意味って何?」
「死ぬのが怖いからだよ」

「人類は滅びるべき存在ではないのか!?」
「滅びる必要があるときに勝手に滅びるから、あまり気にしなくていいよ」

「私が神と知った時、どう思った?」
「凄いと思ったよ」

「鼻くそ食べていい?」
「食べちゃダメ」

これらの例文に対して、あなたはおそらくいくつかの質問の裏を勝手に想像し、いくつかの質問を勝手に関連付けストーリーを推察し、ニヤニヤしたことだろうと思う。そして、それは大人だから持っている能力なんだよ。

あなたのその推察力は、あなたが今まで生きてきたこの世界で身につけた知恵を元にしてるんだよ。それにくらべて、あなたの子供は非常に弱い存在だ。夜空を見上げては宇宙人を捜し、夜のトイレにはお化けを見て、近所に鬼が住んでいると真剣な顔であなたに教えてくれるだろう。

でも、本当にそうか?あなたは本当に強い存在で、あなたの子供は本当に弱い存在か?

例えば、明日突然宇宙人が地球に襲来してきたら、それにすぐに対応できるのはあなたではなく、あなたの子供だと思う。なぜなら、あなたが星しか見ることができない夜空に、あなたの子供は何万もの宇宙人を見てきたのだから。

例えば、お化けが実在する世界になったら、その世界にすぐに順応できるのは、あなたではなくあなたの子供だと思う。なぜなら、あなたの子供は既に夜のトイレでお化けの存在を感じ取っていたから。

例えば、あなたの家に突然本物の鬼が現れたら、何をすべきか知っているのはあなたではなくあなたの子供だと思う。なぜなら、近所に鬼が住んでいることを「知っていた」あなたの子供は、きっともし家に鬼が現れたら何をすべきかを毎晩寝る前に頭の中でシミュレーションしたことだろうから。

あなたはこの世界に過適応しただけだ。あなたはこの世界のことしか知らない。あなたはこの世界しか想像できない。あなたは子供の凄さを知らない。あなたの子供はこの世界に住んでいて、宇宙人がいる世界にも住んでいて、お化けがいる世界にも住んでいて、鬼がいる世界にも住んでいる。

例えば、もし明日めざめて妖精の世界に来てしまっていた時、あなたはパニックにおちいるだろうが、あなたの子供は妖精界を救うために立ち上がるだろう。

ここまで書くと、多分あなたは自分が子供の頃どんな世界に住んでいたか少しは思い出してくれたと思う。なんであなたはそんなつまらない世界に収まってしまったのか。

世界の形なんてもっと適当でいいんだよ。子供が「宇宙人見た!」って言ったら、そこに宇宙人はいるし、子供が「お化け見た!」って言ったら、そこにお化けはいるし、子供が「鬼見た!」って言ったら、そこに鬼はいるんだよ。

大人の世界ですら宗教を信じてる人は神様のいる世界に生きているし、宗教を信じてない人は神様のいない世界に生きているという違いがあるのに、子供の世界を信じないなんてどういう理屈だ。

あなたはあなたが子供の頃に思っていた「子供の世界を分かってくれるこんな大人になりたい」という大人になれていますか?10秒以内に答えよ。

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