適当プログラマー

文学は誰でも学べます。

文学オープンソースと理系のググれの精神

理系のオープンソースの精神なんて、文系のオープンソースの精神に比べたらカスです。

オープンソースとは、プログラミングでソフトウェアを作るときのスタンスの一つで、一般的にソフトウェアを作る時、作り方というのは誰にも知られないようにして作るのですが、オープンソースというのは「俺が作ったプログラミングの作り方を、誰にでも無条件で教えてやるぜ!」という、粋でイナセなスタンスのことです。

このオープンソースという考え方の発明により、皆がプログラミングの作り方をお互いに学びあい、より良いソフトウェアを作り上げようという昨今の素晴らしい風潮を作り上げているのです。

──が、文系人間の私が理系に憧れて無理やり理系の世界に入ってから思うのが、理系の世界には、文系の世界に比べて教材が少ない。しかも高い。

例えばですよ。私は実は大学受験の時に数学を捨てて、文学部を目指していたわけですよ。つまり、高校二年生後半からの数学をまったく学んでいない。で、その後、理系に憧れて転向した後まず思ったのが、「この遅れを取り戻さないといけない。しかも、しばらく数学から離れていたから、できれば基礎から広く薄く高校卒業レベルまでの数学を学びたい」。

で、まぁ本屋にいきますわな。ずらっと教材が並んでいるけども、そもそも、まず数学というものを扱っている本が、スタンスが「Study(勉強しようぜ!)」なわけですよ。私としては、スタンスが「Entertainment(楽しもうぜ!)」な本を読みたいわけですよ。

例えば、文系の場合、小説とかエッセイとか楽しめる読み物が小学校低学年が楽しめる者から老人が楽しめるものまで、すべての文系レベルの段階を網羅し、さらにライトノベルから官能小説まで多種多様で厚みがあるわけですな。

ところが、数学の場合は「受験用」か、もしくはエンターテイメントの段階になると途端にレベルがまったくついていけないような高度な「数学マニア」的本しかないワケですよ。レベルが飛び飛びで、極端に難しいものか、もしくは逆に簡単すぎなものとかで、ちょうど良いレベルの数学本というのが無い。

多分、義務教育が始まってからどこかの段階で一旦「数学」というものとの関わりを切ると、後々もう一度つながろうとすると、途端にとっつきにくいものになる。

で、「オープンソースがこんなにもてはやされているんだから、ネットで調べれば、初心者にもとっつきやすいような簡単なオープンソースプログラムでもあるだろ」みたいなかんじでググると、そんなものは一切無い。オープンソースは初心者を拒んでる。「このオープンソースシステムをいじるなら、最低でも『これくらい』の知識はもっててね」の「これくらい」が、初心者プログラマーを一気に萎えさせる。

一方の文系なら、まずは絵と文章がある「漫画」から入ることが出来る。これを「文系カテゴリ」に入れるのは、ちょっと無理やりな感もあるが、たとえばバガボンドという漫画は元々小説が原作だし、小説家の乙一さんが書いたものが確か漫画になっていたりして、結構マンガと小説のつながりは大きい。また、「小学校高学年向け」と書かれた本や、読書感想文用の本など、子供にも無理なく読める本が多数ある。

理系には、小学校高学年向けプログラムが無い。中学生用プログラムも無い。なんなら、高校生用プログラムすら下手したら無い。あるのは、「自ら進んでプログラミングを学ぼうとする意志を持った者のための本」だけだ。

で、さらにそういう理系の本は、「これを学んでね。じゃあ、次はこれをしてみようか。よし、つぎはこれだ」な感じで、つまるところ「楽しさ」を教えてくれない。文系本と理系本の決定的な違いはサービス精神だと思う。

確かに、文系本の本来の目的は「買ってくれた人を楽しませるため」であり、理系本の本来の目的は「買ってくれた人の為になる本」というのは分かる。でも、数学や論理的な考え方の楽しさを教えずして「最近の若者の理系離れはひどい」というのは違うだろ。そりゃ、目の前に面白いものと面白くないものがあれば、人間は面白いものを選ぶに決まってるだろ。

「いや、理系の楽しさを教えるのは、文系の楽しさを教えるよりも難しい」っていう理系の人もいるかもしれないけど、「そもそもお前は理系の方が楽しいと思ってその世界にいるんだろ。その自分が楽しいと思った理由や考え、面白い論理的な問題を紹介してくれればいんだよ」と思ってしまう。

しかも、理系って言うのは特許で技術を非公開にしてるんだよね。日本語は誰でも自由に使えるのに。小説家って言うのは、小学校低学年でも知っている日本語というものを使ってあれだけ付加価値の高い製品を作り上げてるのに、お前ら理系はわざわざ特許を取らないと儲けられないような付加価値の製品しか作れないのか、と。

なによりも思うのが、理系の人は、技術を学んだ後、アウトプットをしてくれない。「それを初心者にわかりやすく教える」という作業を誰一人としてしていない。何だか知らないけども理系の人は、その技術を自分が習得するまではエラく苦労するくせに、習得した途端、自分が苦労していたことを忘れて、そのやり方を初心者に教えるという作業を放棄する。

理系の人は理系の楽しさを知っているのに、誰も教えてはくれない。返ってくる答えは「ググれ」だ。文系の人は文系の楽しさを知っているから、皆進んで教えている。「今度出たライトノベルは最高だ」。

という考えをもった私は、プログラミングのコーナーでとりあえずサイトの作り方を教えることから始めようと思ったけども、なんというか、教えるのってすごい面倒くさいね。初心者に教えようと思ったら文章だけじゃなくて画像も使わないといけないけども、その作業がすごく面倒くさい。ページ作る時間もないし。というか、文系の人は文章その物を作ることが目的だから良いけども、理系の場合は文章を書くことが目的ではなく、プログラムを作ることが目的だから、その後に作り方を教える文章を書こうとすると、自分の作業をもう一度説明するっていう、つまるところ二度手間になっちゃうんだよね。文系の人は一時間で文章を書いたらそれでオッケーだけど、理系の方は一時間でプログラムを作った後、もう一時間かけて、今度は作り方を教える文章を書くって言う、どう考えてもそんな時間ねーよという世界なんですね。

というわけで、どこかのエラいプログラマーさん。プログラムを作ったら、そのプログラムの作りかたを書いた文章をバックで自動で作るというプログラムを作ってください。

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