小説シンガー

リアルに就職活動中です。

就職活動に失敗しました。

花の女子大生の私は、卒業間近という時期に就職活動を始めました。私は世間をなめていました。就職とか言うモノは、美人であればさくっとできるものだと信じて疑っておりませんでした。言うまでもなく、私は美女でした。

しかし、なぜでしょう?受ける企業受ける企業すべてに落ちまくり、気がつけばもはや就職浪人しか道はないと言う状況にまで追い詰められていました。

人生に絶望した私はゴム無しバンジージャンプを決行しようと、橋の上から空へダイブしました。しかし私は死ねませんでした。なぜなら、空中でサンタクロースさんのソリに着地してしまったからです。サンタさんは言いました。
「バカ野郎!この野郎おまえ、あぶねぇじゃねぇか!!ソリの上だったからまだ良かったものの、俺の上に着地していたらオレが死んでただろうが!!クソ野郎が!!」

私はショックでした。自殺できなかったことと、サンタクロースが下品であったことが、ショックでした。なので私は叫びました。
「ショーック!!」
「うるせぇ!!黙れ!!」

私はとても悲しいです。夢と希望にあふれているはずのサンタさんが、ただのクソ親父であったことに。私は決意しました。このクソ親父を道連れに、ソリから飛び降りて死んでやろうと。

私は奇声をあげながらサンタさんに襲いかかりました。奇声といえば一般的に「キシャー!!」ですが、私は奇をてらって、「オンシャー!!」と叫びながら襲いかかりました。貴社は書き言葉で、御社は話し言葉であると言うことは、この時期の私には常識でした。

「ちょっ!!バカ!!おまえ!!やめろ!!」
そう言いながら、サンタさんは私にボディーブローを仕掛けてきました。でもそんなことで怯む私ではありません。なぜなら私が今まで付き合ってきた彼氏は、皆一様に私にボディーブローを繰り出してきたからです。彼らは私に暴力をふるった後、決まってやさしい言葉をかけてくれました。「ごめんね。痛かったかい?ついかっとなってしまった。だけども、これも君を愛するがゆえにやってしまったことなのだよ」と。そう、暴力こそ愛情の裏返しなのです。さてはこのサンタさん、私のことが好きだな?今の流行言葉で言うツンデレです。

私はサンタさんを巻き込みつつ、ソリから飛び降りることに成功しました。「ぎやーっ!!」とサンタさんは叫んでいましたが、そんなことは知ったこっちゃありません。しかし、私は死ねませんでした。なぜなら途中で天使さんが、「大丈夫ですか!?サンタさん!!」と言いながら私を救ってくれたからです。

天使さんは言いました。
「うぉっ!?間違ったー!!」
私は正直、天国へ行けたサンタさんが羨ましかった。
「うっわー。やべぇ。マジやべぇ。ほんとマジやべぇ」
天使さんは顔面蒼白になりながら、やべぇを連発しました。そんなことはどうでもいいから私の事を放っぽり出してくれないかしら、天使さん?と言うと、天使ははっとした顔になり言いました。
「人間よ。そんなことは私にはできない。私は慈悲深き天使なのだから」
そう言いながらも天使のコメカミがピクピクしていることを、私は見逃しませんでした。でもいいんです。所詮天使なんてそんなものです。
「人間よ。自殺などという馬鹿げたことを考えるのはやめるのだ。生きていれば、きっといつか良いことがある」
そう言いながらも、天使さんの目は「このクソ女が!!」という目をしていました。

私は言いました。
「だってー。大企業はおろかー。中小企業とかもー。ばきばき落ちちゃってー。もう死ぬしかないって感じー。みたいな?」
私がダルそうにそう言うと、天使はタメイキをつきながら言いました。
「よかろう。ならば、汝の願いを叶えてしんぜよう」

その後、私は公務員になることができました。毎年12月24日の夜に子供達にプレゼントを配るという公務のために、現在天使さんにピッキングのやりかたを伝授してもらっているところです。正直世間一般の目から言えば、充分勝ち組であると自負しております。

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