小説シンガー

リチャード・バックの寓話的小説「かもめのジョナサン」は読んだこと無いけどきっとこんな内容の話だ。

読んだこと無いけど想像で書く「かもめのジョナサン」

今日は快晴。風が心地よく、波も穏やかだ。ジョナサンの友達のカモメたちは、みんな青空を気持ちよく飛び回っていた。しかし、ジョナサンは皆と一緒に飛び回ること無くひとりぽつんと波止場で空を見上げるばかりだ。ジョナサンがひとり佇んでいるのに気がついた一匹のかもめが舞い降りてきた。

「へいへい、どうしたんだジョナサン!こんなところでボーッとしやがって。今日はいい天気だぞ!飛び心地も最高だ!」
「やあ、マーティン。今日も無駄に元気だな……」
ジョナサンのその言葉を聞いて、マーティンはいつもより元気がないことに気がついた。

「どうしたんだ、ジョナサン。まさか病気か!?」
「ちがうよ、マーティン。まあ、病気といえば一種の病気かもしれないけど……」
「なんだ。どうした?悩みごとがあるならはっきり言ってくれよ」
マーティンがそう言うと、ジョナサンはひとつ大きなため息をついて言った。
「実は──やる気がないんだ」

「は!?」
マーティンは大声をあげた。
「やる気がないって──つまり、どういうことだ?」

「純粋に言葉通りの意味だよ。なんで飛ばないといけないの?あーメンドクサっ!メンドクサっ!」
マーティンは最初ジョナサンが冗談か何かを言っているのかと思ったが、どうやらジョナサンは本気で飛ぶことを面倒くさいと思っているようだった。
「へいジョナサン!飛ぶのが面倒くさいって言ったって、俺達カモメはそもそも飛ばないと何もできないぞ……飛ぶとはつまり、生きることだぞ!」
「そんなことは知ったこっちゃないね」

マーティンはしばし思案して言ってみた。
「空を飛んでくれたら、俺が大事にしている秘密の餌場を教えてやるよ。あそこの餌場は美味しい魚や貝が食べ放題で、餌を奪い合うライバルもいないんだ」

その言葉を聞いた途端ジョナサンの内側に力が湧き上がった。ジョナサンは思った。今なら飛べる──!!
「マーティン。どうやら僕、飛べそうだ」

マーティンはほっとして言った。
「よかった。今のは嘘だ」
その言葉を聞いた途端。ジョナサンの中の力は全部吹き飛んだ。
「ごめん。やっぱり飛べない」

マーティンはひとつため息をつき、今度はこう言ってみた。
「お前の好きなアメリアが『ジョナサンって格好いい。特に飛んでいる姿が凛々しい。今度、跳んでる姿を見たら結婚しようと思う』って言っていたぞ」

その言葉を聞いた途端ジョナサンの内側に力が湧き上がった。ジョナサンは思った。今なら飛べる──!!
「マーティン。どうやら僕、飛べそうだ」

マーティンはほっとして言った。
「よかった。今のは嘘だ」
その言葉を聞いた途端。ジョナサンの中の力は全部吹き飛んだ。
「ごめん。やっぱり飛べない」

マーティンは、またひとつため息をつき、今度はこう言ってみた。
「分かった。じゃあ。東の岬まで競争しよう。もしジョナサンが競争に勝ったなら、これから毎日君の食べる分も魚を届けてあげるよ。つまり、君はもう二度と飛ぶ必要がなくなるんだ」

その言葉を聞いた途端ジョナサンの内側に力が湧き上がった。ジョナサンは思った。今なら飛べる──!!
「マーティン。どうやら僕、飛べそうだ」

マーティンはほっとして言った。
「よかった。今のは嘘だ」
その言葉を聞いた途端。ジョナサンの中の力は全部吹き飛んだ。
「ごめん。やっぱり飛べない」

マーティンはムカムカしながら言った。
「理由がないと飛ばないなんて、君はなんてクズなんだ」

ジョナサンは答えた
「理由もなく飛ぶなんて、君はなんてバカなんだ」

このエントリーをはてなブックマークに追加