小説シンガー

合同コンパ。に行ったことがない。

合コン

会社に苦手な先輩がいる。社会人なのに茶髪なんだ。社会人なのに化粧が濃いんだ。要するにギャルなんだ。社会人なのに。

今日の会社の昼休みでも、そんなカオリさんに会社で絡まれた。
「タケちゃーん。あんた今日ヒマ?」
「はぁ。まぁ、ヒマですが」
「じゃあ、お姉さんと一緒に合コン行こう!」
合コン……などという行為は品行方正な僕は一度もしたことがないし、興味もなかった。

「申し訳ございませんが、そういうのは苦手なので止めておき……」
「まー、まー、まー、まー。大丈夫。全てお姉さんに任せなさい。っていうか、もうセッティングしちゃってんの。私の大学の可愛い後輩達が来るから。あんたは別に喋らなくても良い。ただ嫌らしい目でジロジロと現役女子大生を舐め回すように見るだけで、お姉さんは満足。はい!決定!」
そう言ってカオリさんは鼻歌を歌いながら去っていった。何て自分勝手な人なんだ。これだからギャルは嫌なんだ。

会社の定時になると僕はカオリさんに拉致されて会場へ向かった。

正直驚いた。『合』同『コン』パに連れていかれると思ったら、『合』唱『コン』クールに連れていかれたから。

女子大生の歌声を聞きながら唖然としていると、カオリさんは横でニヤリと笑った。
「フッフッフ。こう見えても私、学生の時は合唱部に入っていたのだよ」

ウィットに富んだ合コンジョークと彼女のニヤリとした顔を見て、正直ちょっぴり可愛いと思ってしまった。

これは男として良いところを見せなければと思い、彼女が言った通りに、壇上に居並ぶ女子大生たちをこれでもかこれでもかいというほどイヤらしい目でジロジロと舐め回すように見た。

コンクール終了後、僕はカオリさんに「バッカじゃねーの!?」と言われてグーで殴られた。

僕のどこがいけなかったのでしょうか。

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