小説シンガー

結婚したい。

ワタシ神さまですが結婚することにしました。

私は凄いんです。どう凄いかって?実は神さまなんです。どこにでもいるタダの人間のふりをしているけど、でも本当の本当に神さまなんです。

なので普通の人間とは違います。というか普通の人間と同じではいけません。なぜなら私は神様だからです。だから良く布切れをまとって神聖な呪文を唱えながら街を歩きます。神聖な神の行進に街行く人々は進んで道を譲ります。

私は良く道で大声で一人で歌います。突然の神の声に人々は驚きの目で私を見ます。もちろんすぐに目を逸らします。なぜなら下賎な人間が神聖な神様と目を合わせるなど失礼に当たるからです。

私は良く予言をします。ある日、隣の家が火事になる夢を見ました。これは隣の家は一週間以内に火事になります。私は下賎な人間達に予言を伝えます。しかし下賎な人間達は高尚な神の言葉を理解できないことがあります。彼らはバカなのです。

しかし隣の家は一週間経っても火事になりませんでした。どうやら自然界が火事にするのを忘れていたようです。仕方がなく私が火をつけます。なぜならそれこそが自然界で定められた運命だからです。

ある日体に布をまとっていつものように街を粛々と歩いていると、目の前を二人連れの青年が歩いていくのが目に映りました。彼らは「マクドナルド行こうぜー」などと喋っていました。私はその格好良い方の青年を一目見た瞬間から理解しました。この青年は私と結婚して神の子を生むだろうと。私は青年に実は自分が神であることと、あなたが私に選ばれたことを伝えました。彼は私を見つめて言いました。

「あぁ……私の神さま……!」

私は満足しました。さすが神である私が選んだだけあってすぐに私を神と理解した。知性の低い人間には理解できない言語で私を認めたことに私と並ぶ知性を感じる。

さて。あとは彼と結婚するだけです。

洋式の結婚式とか和式の結婚式とか下賎な人間はそんなことで悩むのでしょうが私は神です。様式にはこだわりません。そんなことより下賎なすべての人間達に、神が結婚することを伝えないといけません。神の結婚は全人類にとって喜ばしいことです。すべての人間は私にひざまづくべきです。

私は歌いながら予言をすることにしました。さすが私。おしゃれな予言方法です。街中で大声で歌います。

「私は神ー 私は神ー♪お前らはひざまづけー 今日生きられることを私に感謝しろ♪私今度この彼と結婚するからお前らで料理用意しろ パーティーも用意しろ♪しなきゃ天罰 やらなきゃ天罰 死にたくなければ全員祝え♪」

この私の素晴らしい歌声を聞いて、彼はもう一度つぶやきました。

「オーマイガット……」

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