小説シンガー

わんわん。

僕は犬を飼っています。僕の犬は可愛いです。ある日、犬が言いました。
「ずっと、黙っていましたが、実は私は喋れます」

犬はその後、天才犬として英才教育を受けました。彼は、なんとか力学とか、なんとかの法則とか、なんとか語学とかをマスターし、東京大学の教授になりました。

犬は僕に言いました。
「あなたも、私みたいになりたくないですか?勉強すれば、きっとなれます」

僕にとって、犬は憧れの存在でした。僕も犬みたいになりたくて、犬を師匠に、必死に勉強しました。

犬は、初心者にも分かりやすいような平易な言葉で、僕になんとか力学とか、なんとかの法則とか、なんとか語学を教えてくれました。

僕は26歳になってようやく東京大学に入学することができました。僕は犬に聞きました。
「僕は、君のようになれたかな?」

犬は言いました。
「もちろん。もっと胸を張っていいですよ」

僕はその言葉を聞いて、自信を持って女子高生の顔をワンワンと言いながら、舌でベロベロとなめ回しました。

留置所に面会に来た犬に、僕は泣きながら言いました。
「うそつき」

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