ある日、人を殺しました。私は彼が嫌いでした。人の苦しみも悲しみも、すべてを鼻で笑う。そんな男でした。
彼を殺した後、私は自身の異変に気がつきました。赤ちゃんを身ごもっていたのです。彼の子でした。正直、あまり生む気はしませんでした。でも、赤ちゃんに罪はありません。そこで、家でひっそりと出産し、育てることにしました。
しかし一年後、いざ出産してみると、その赤ちゃんは「彼」でした。その子は彼の生まれ変わりだったのです。
私の体から出てきた赤ちゃんは、開口一番言いました。
「ごめんじゃすまねぇぞ!この野郎!」
私は赤ちゃんを殺しました。
その後しばらくして、私は自身の異変に気がつきました。また赤ちゃんを身ごもっていたのです。私は「赤ちゃんを作るための行為」を誰ともしていませんでした。この赤ちゃんが「誰」なのか。私には確信がありました。私の心は、暗く静かに沈んでいきました。
一年後、家で出産すると、赤ちゃんは開口一番言いました。
「てめぇ!2度も俺を殺すとは・・・・・・。覚悟は出来てるんだろうな!!」
私は赤ちゃんを殺しました。
その後しばらくして、私は自身の異変に気がつきました。また赤ちゃんを身ごもっていたのです。
一年後、家で出産すると、赤ちゃんは開口一番言いました。
「おっまえ、マジ、なんやねん!?人をおちょくっとんのか!?無抵抗なベイビーを殺しまくるとは!!鬼やな!!お前は鬼じゃ!!」
私は赤ちゃんを殺しました。
その後しばらくして、私は自身の異変に気がつきました。また赤ちゃんを身ごもっていたのです。
一年後、家で出産した後、赤ちゃんがわめきだす前に、私は大声で言いました。
「あんたもう、えぇ加減にしなさい!!」
そう言うと、赤ちゃんは間髪入れずに言いました。
「どーもー、ありがとうございましたー!」
これだから関西人はいやだ。なんでもかんでもお笑いに持っていく。私はブチ切れて、今度こそこいつの人生の幕を降ろしました。
彼の最後の言葉は、「いや、そこは『お笑いだったんかい!』ってつっこんでくれるところやろ・・・・・・。何を包丁をつっこんでんねん」でした。
ちょっと笑ってしまったのが悔しかったです。