「第120億5千601回、生命絶滅コンテストぉぉぉぉ……!!はい。司会はおなじみワタクシ、神様でお送り致します。地球もあらかた生命が絶滅していきまして、残るはゴキブリ並に生命力のある人間と、人間並に生命力のあるゴキブリのみとなりました。皆さん、拍手!!」
神様の無駄なハイテンションにイライラとしつつも、人間たちとゴキブリたちは拍手をする。
「はい、どーもありがとうございます。私が地球を製作しまして、もう数千億年が経ちました。その結果がこれです。自然大崩壊!!空気汚染!!生命すべて害虫ばかり!!どうみても失敗作です!!こんな地球はいらない!!もう生命絶滅しちゃってもいいかなー?いいともー!そーんな軽いノリでコンテストを開催してきましたが、生命体の根絶やしまであと一歩。ここまで生き残ってきた人間もゴキブリも、素晴らしい生命力です。よく、こんなに汚染された現在の地球で生きていけるものですね!素晴らしい!!しかし、今回のコンテストで、人間さんかゴキブリさん、どちらか一方に絶滅してもらうことになります!」
神様がそう言うと、人間たちとゴキブリたちの顔がさっと暗くなる。
人間の代表者が言う。
「ゴキブリが絶滅すべきだ。我々人間は明らかにゴキブリより優れた生命体だ。我々は、化学の力で自然のパワーを引き出した。科学の力で空を飛んだ。文化の力で夢を見た。果たして、ゴキブリにこれだけのことができるだろうか?」
これに対してゴキブリの代表者が言う。
「絶滅すべきは人間の方だ。その化学やら科学やらで地球の自然をここまで壊したのは一体誰なのかね!?」
「だまれ!!進化を知らない下等生物が!!」
「ほう?人間が今まで進化したことなんかあったかな?子供のままの頭で力だけ大人の力をもたれても、迷惑なだけなんだよ」
と、罵詈雑言がこれでもかというほどに飛び交い始めた。
「はいはいはいはい。人間さん。ゴキブリさん。ケンカはダメダメ!もっと、な・か・よ・く、絶滅する方を決めましょう」
神様がそう言うと、人間の代表者が声を上げた。
「ならば、多数決はいかがかな!?」
ゴキブリの代表者もそれにのる。
「なるほど、実に民主的な方法だ」
「はっはっは」と神様は笑った。
「君たちは何を言っているんだ?ゴキブリと、人間。代表者が一人ずつ。お互いが相手に投票したら、いつまでたっても決まらない」
「神様がいるじゃないですか」
と人間の代表が言う。
「そうだ。神様が決定権を持つ」
とゴキブリの代表者も言う。
その言葉を聞いて、神様がニタァと笑う。
「ほうほう。一体誰が絶滅すべきか。人間はゴキブリに投票し、ゴキブリは人間に投票し、最後に私がどちらかに投票する。くっくっく。これぞまさしく、運命は神のみぞ知る!!面白い。ただし、私がどちらを選んでも、恨みっこはなしだ」
「もちろんだ」と人間代表が言い、「いいですとも」とゴキブリ代表も言った。
「では、投票は私から初めてよろしいかな?」
と人間が言う。
「私は、絶滅すべき生命体は神様だと思います!」
人間代表がそう叫ぶと、
「私もそれに賛成だ!!」
と間髪入れずにゴキブリ代表も叫んだ。
唖然としている神様のこめかみに人間が弾丸を打ち込み、その死体の後始末をゴキブリが請け負った。
生命絶滅コンテストがなくなったおかげで、人間とゴキブリはもうしばらく長生きすることができた。