文学ファイター

「犯人はお前だ!!」そう言って刑事さんは自分自身を指さした。自首だった。

犯人はお前だ!

刑事ドラマとか探偵ドラマってあるじゃないですか。

あれ、ストーリー練られていて面白いんですけど、最終的に関係者集めて「犯人はこの中にいます」「えっ!?犯人は一体誰なんですか!?」「まぁ、順序良く説明していきましょう。まず、第一の事件。これは……」

ちょっと待てと。もしですよ?仮に実際に事件が起きたとして謎を解いた刑事さんや探偵さんは本当に皆の前で自分の推理を披露するだろうか?しないだろ!直に犯人に向かって「あなたが犯人ですね」ですよ、実際は。ストレートに名指しですよ。で、別に皆の前で推理を披露せずに、刑事さんだけに「ここがこういうわけですよ」みたいに言うと思うんですよ。

つまり、リアリティを追求すると最終的にドラマは探偵が、「刑事さん、犯人はあの人ですよ!」って言って、刑事さんと探偵さんだけが「なるほどねー」って言いながら証拠と謎をすり合わせていって、逮捕状ですよ。巻き込まれた人達は、最終的に、「え?結局、どうやったの?あの密室殺人」って思いながらも「いやー。素人さんには教えることは出来ませんよー。ははは」みたいに言われて。なんやかんや探偵と刑事さんの中でだけ事件解決。残された遺族は深い悲しみと、結局手口はどうやったんだという謎を残し、エンドロールですよ。

だってですよ?仮に自分が事件に巻き込まれたとして偶然探偵さんがいて、しかも最終的に探偵さんが自分達を集めて、「皆さん、犯人が分かりました。まず――」とか始めたら。心の中では、「うわー。映画みたい!」っていうワクワク感とともに、「ぷ」って吹き出したくなると思うんですよ。「映画じゃないんだから!」というツッコミがしたくなると思うんですよ。っていうか最終的に、「知らねーよ。そっちで勝手に刑事に言って処理しろよ」っ思うと思うんですよ。

で、それがマスコミとかに伝わったら「不謹慎!死者を弄ぶ探偵。自分の推理を嬉々として人前で披露!」とかワーワー非難されて。で、「お前らマスコミだって人の不幸を喰い物にする商売やってるだろ!」ってネットで叩かれて。ネットとマスコミの確執が深まる!

ごめん。話が逸れた。で。仮に。仮にですよ。自分が事件に巻き込まれたとして。人前で推理を披露しなければならない状況ってどんな時か?「おれ、超カッコイー!!って思われたい!!」とかいう論理的じゃない理由抜きで。

で。やっぱり。自分の推理に自信が無いとき。これですよ。「たぶん、Aさんか、Bさんなんだよねー」どっちかなんだけど……。Aさんがもし犯人なら、こういうトリックを使ったって説明できる。仮に、Bさんが犯人だったとしても、こういう推理で説明できる。でも、犯人は単独犯の可能性が高い。くそーっ!!どっちだ!?みたいなとき。

とりあえず、人を集めて「皆さん。犯人が分かりました」と、さも真犯人が分かったふりをする。で、とりあえず確実に判明できた謎だけ、謎解きをしつつ、AさんとBさんの動揺度を探る。で、謎解きをしてるとAさんが顔を真っ赤にしだして、目がやけに涙目。この反応……犯人確実にAさんだろ(笑)。あとは、Aさんが犯人だった場合のほうの推理を披露して、事件は無事解決!刑事さんにも感謝され、うはうは!

三年後、Aさんの冤罪と、真犯人はBさんということが判明し、出所したAさんに糾弾され、マスコミもこぞって記事にする。親に勘当され、失意のうちに俺は殺される!被害者は俺!犯人も俺!自殺やん。

このエントリーをはてなブックマークに追加