文学ファイター

テレビは、僕達の夢の箱だった。

テレビ

テレビ。

インターネットが発達する前、僕達はテレビに夢中だった。

唯一にして最高の暇つぶし手段がテレビだった。

昔のテレビの方が番組構成の質が良かったとか、そういう話を時々聞くが、そんなことは無い。テレビというのは、最高に面白い最低に下卑たものだった。

まだ法的な規制が緩くて、テレビはルール無用でやっていた。休日の昼に水着の姉ちゃんが熱湯に入っていたし、夜はもっと卑猥だった。

お笑いも、お笑いというよりはイジメに近いような描写や、人を蔑んで笑うということもあった。

でも、ドラマやアニメもめちゃくちゃ面白かった。

ドラゴンボールがあった次の日は、皆とドラゴンボールの話で盛り上がり、面白い映画があった次の日は、皆とその映画の話で盛り上がった。

テレビは、もっとも簡単に他者との共通の話題を得る手段だった。

テレビの面白い番組というのは、なぜか夜遅くにやる傾向があった。

というわけで、テレビのニュースでは「最近の人は規則正しい生活ができていないですねぇ」とか言っていたが、「おめぇのせいだよ!」と思っていた。

でも、僕は最近、規則正しい生活ができるようになった。夜は八時半に寝て、朝は五時半に起きる。

今でも、面白そうな番組は夜遅くにやっていて、僕はそれができれば見たいと思っている。

でも、その番組を見なくても、翌日にその番組の話をしている人がほとんどいないんだ。皆、昔ほどテレビに依存しなくなった。

皆、好き勝手に好みの情報を手に入れられるようになったのと引きかえに、皆、誰もが盛り上がれる共通の話題というものを失った。

それに何より、僕は規則正しい生活がしたいんだ。僕の中での基準は「エンターテイメント<規則正しい生活」なんだ。

だから、頼むから深夜にやるグラビアアイドルの番組の代わりに、朝早くに水着姿のグラビアアイドルに、淡々と今朝のニュースと天気予報を教えてほしいんだ。それが、早朝に目が覚めてしまう日本中の老人男性の願いだから。

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