文学ファイター

本当は神戸連続児童殺傷事件と絡めて記述しようと思ったけど、記述する前に事件に関して軽くググったら、想定以上に闇が深くて、事件に絡めるのをやめた結果、何が言いたいのか分からなくなった文章。

特別な存在として見られたい

人は皆、「他の人から自分のことを特別な存在として見られたい」という欲があると思う。

一番分かりやすい例として、小さい子供が同じ年齢の友達に言う「俺、駄菓子屋さんでお菓子盗んだことあるんだぜー」がある。他にも「ジェットコースターに乗ったことあるんだぜー」とか「一人でお化け屋敷入ったことあるんだぜー」がある。ちなみに、彼は本当はお菓子を盗んだこと無いし、ジェットコースターも身長制限にひっかかって乗れるはず無いし、きっとお化け屋敷に一人で入ったこともないだろう。じゃあ、なんで小さい子は周りの同じ年齢の子供にこのような嘘をつくんだろう?なぜなら彼は、周りの友達に「凄い」と言われたいからだ。「自分は周りとは違う、特別な人間」と思われたいからだ。

そして、この小さい子供のエピソードは、皆も子供の頃体験したと思う。つまり、これは人間のシステムとして組み込まれているのだ。人間は皆「特別な存在として見られたい」という欲があるのだ。

例えば芸能人や芸術家の方たちがなぜその職についたかというと、もちろん「自己表現がしたい」っていう欲もあると思うけど、「特別な存在として見られたい」という欲も多分にあると思う。「特別な存在として見られたい」という欲のおかげで、私達は彼らの素晴らしい歌が聞けたり、お芝居が見れたり、芸術を鑑賞したり出来るのだ。

小学二年生の頃、友達に絵の具を食べることが出来るN君がいた。皆さんも小学二年生くらいの頃、友達にいなかっただろうか?絵の具を食べることが出来る友達が。ちなみに、Nくんによれば白い絵の具が一番美味しいらしい。

多分、この絵の具を食べる行為も「普通の人は絵の具を食べることが出来ない」「自分は絵の具を食べることが出来る」「だから、僕のことを他の人とは違う特別な存在として見て欲しい」という理屈だと思う。

例えば私が運用しているこのサイト「ガルニモ」の文章を見て、もしかして私のことを特別な存在のように見えている人もいるかもしれないけど、実は私は「他の人に特別な存在として見られたい」から特別な存在に見られるように文章を書いているだけで、実際に会えば普通だし、むしろちょっぴりコミュ障です。

「自分を特別な存在として見られたい」という欲は思春期に強くなるんだと思う。なぜなら子供を作れる体になる時期だから。彼氏・彼女を作りたくなる時期だから。だからこの時期に「自分は周りと違ってこんなに凄いんだ。特別なんだ。(だから私と彼氏・彼女になりませんか?)」というのを見せつけるため、人はファッションに目覚めたり、スポーツで一位になろうと頑張ったり、もしくは「特別に見られたい」の方向性を間違って中二病にかかったりするのだと思う。青春は良いなー。

そして、最も簡単に、そして強烈に自分の特別性を感じることが出来る方法として「生き物を殺す」があると思う。

例えばファッションをどんなに極めても、それでも自分よりカッコイイやつはいるし、スポーツを極めて県内で一番になれても、更に全国では怪物クラスがゴロゴロいるし、中二病はうっすーく「生き物を殺す」とニアリーイコールだと思う。

例えば「生き物を殺す」に自分より凄いやつがいる、とかいう概念はあまりないと思う。皆も誰かと競って生き物を殺したことなんて無いと思うし。そして、「生き物を殺す」という行為自体が、なにやら凄い特別性がある。例えば私たち自身が死ぬことを考えると、基本的には死にたくないし、そもそも「人間が死ぬ」って結構凄い出来事だ。自分が死ぬことに関して想像しにくいなら、自分の母親や父親が死ぬことや、親友が死ぬこと、彼氏、彼女が死ぬことを想像してみて欲しい。重い出来事だ。衝撃的だ。自分と人生をともにした人が、死ぬ。死んだ人は、今まで何年も生きていて、さまざまなことを経験して、その人だけの思想や思考を持っていたのだ。そんな、他に代替の無い特別な存在が死ぬ。

でも、いくら自分の特別性を感じたいからと言っていきなり人間は殺さないだろう。きっと最初は虫とか、そういう小さいものを殺し、自分の特別性を感じるのだ。でも、虫を殺すのに慣れると、自分の特別性を感じられなくなり、次は小動物――犬とか猫を殺しだすのだろう。そして、犬や猫に満足できなくなったら、遂には人を殺すのだ。

殺人鬼は思春期に小動物を殺し始めたりするけど、始まりは「自分のことを特別な存在として見られたい」という欲じゃないだろうか。

「俺、駄菓子屋さんでお菓子盗んだことあるんだぜー」「ジェットコースターに乗ったことあるんだぜー」「一人でお化け屋敷入ったことあるんだぜー」「俺、絵の具食べられるよ」「今度ファッション誌のモデルになることになったわ」「県大会優勝したわ!」「邪眼がうずく」「私、AKB48だったんだよ?」「今度コンクールで発表できることになった」「私、人殺したことあるよ」

おしまい。

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