文学ファイター

どうせ「神との出会い」っていうタイトルをずっと続けて世界の真実の話をしないんだろ、という大方の予測を裏切って世界の真実の話。

世界の真実の話

神との出会い神との出会い2神との出会い3神との出会い4からの続きです。

前回も言ったように、もう何年前だったか季節はいつだったかも忘れましたが、夜ベッドの中で寝ようと思って目をつぶってたら頭の中で声が聞こえました。

「我は神『トゥルーワーズ』。汝に世界の真実を伝える者なり」

気がつくと私は小さな部屋の中にいるようでした。私の左側には丸いテーブルがあり、テーブルの上には青い薬とコップに入った水がありました。そして、私の右側にはエロい衣装を着た巨乳美女が立っていました。私がそれを確認すると頭の中で再び声がしました。

「世界の真実を知りたければ、青い薬を飲みなさい。そうでなければ、おっぱいを揉みなさい――」

私は問答無用で青い薬を飲むほど中二病ではないし、かと言って問答無用でおっぱいを揉むほどひねくれてもいません。さぁ、考える時だ――。

皆さんなら青い薬を飲みますか?それともおっぱいを揉みますか?え?「私は女だから、おっぱいを揉むことに魅力を感じない」?では、女性の方は『美男子のチンコをワシづかみする』とでも置き換えてください。女性がチンコを鷲掴みすることに喜びを感じるか否かは知らないけども。

それではひとつひとつ考えていきます。まず、巨乳美女のおっぱいを揉むという選択肢。これはきっと、おっぱいを揉むと今までの生活がこれからも続くのでしょう。ということは、リターンはゼロ。いや、おっぱいを揉むというのはむしろリターン1億点くらいと考えていい。少なくとも損じゃない。

問題は青い薬を飲むことで、世界のどんな真実を知ってしまうかだ。これはなかなかリターンが何点か測りづらい。

そもそも『世界の真実』というのは実際にどのような世界だと予測できるだろう?私が真っ先に思いつくのは映画『マトリックス』の話だ。あの映画でも、主人公が薬を飲むことで世界の真実を知る。その世界の真実とは、実は世界はコンピューターに支配されていて、今人間が見ている世界はコンピューターによって作られた仮想現実だ、という話だ。主人公はその後仲間たちとともにコンピューターとの争いに巻き込まれていく。

他にも確か小説か何かでこんな話も見た。実は真実の世界では人間が生存するには厳しい世界になってしまったため、現在は人間はカプセルの中で寝かされて、皆バーチャルリアリティを見ている。そして、選ばれた極小数の人間だけが真実の世界で目覚め、寝ている人間たちの管理者となって世話をする、という話だ。

なんだかこれを見るとふたつ目のやつはマトリックスと似てるな。そうだな、他にもこんな話はどうだろう?実は私達は真実の世界では重病人の長期入院患者で、現在昏睡状態にあるのだ。そう、実はこの世界は私達が見ている夢なのだ。私達が真実の世界に目覚める――つまり、昏睡状態から覚醒した時、本当の家族と出会い、本当の記憶を思い出し、本当の世界の形を思い出すのだ。多分皆さんも世界の真実とか聞くと、なんとなくそんな話を想像するのではないだろうか。

だがしかし、私に言わせればそんな話は希望的観測に過ぎない。冷静に考えれば、世界の真実なんてぼんやりした表現で言われても、あらゆる可能性がありすぎる。

まず、想定よりも世界の真実が大したことない場合。

例えば私が意を決して青い薬を飲むと、頭の中で声がするのだ。

「ついに人類に知らせる時が来た。地球温暖化の原因のひとつとして牛のゲップがよく知られているが、実は牛よりも人間のゲップの方が温暖化作用が高い」

――おっぱいを揉めば良かった。おっぱいを揉むべきだった。温暖化とかどうでもいい。

「実は世界には10本足のクモがいる」

おっぱいを揉めばよかった。

「アメリカのスパイが多数日本に潜んでいる」

おっぱいを揉めばよかった。

「あなたの初恋の相手は、今化粧品会社の社長をしている」

おっぱいを揉めばよかった。

「あなたのエロ本の隠し場所は母親にバレている」

おっぱいを揉めばよかった。

お分かりだろうか。実は世界の真実が想定よりも大したこと無い可能性なんて山のようにあるのだ。

次は「世界の真実が想定を超えてエグい場合」を考えてみるべきだ。みんな考えて欲しい。世界の真実が想定よりエグい、とはどのようなことだろう?

私が想像する想定よりエグい、とは例えばこうだ。私が青い薬を飲んで目覚めると、私の体は巨大なゴキブリになっているのだ。

「目覚めたわね」と巨大なお母さんゴキブリと巨大なお父さんゴキブリに迎えられ起き上がると、状況の説明を受けるのだ。「実はあなたには『地球』という星の『人間』という生物の生体を知ってもらうために、今まで『人間』としてバーチャル世界で生活してもらっていたわ。これであなたはもう人間が何を考え、どのように行動するか、弱点は分かったわね?明日地球を攻めて人間を滅ぼすわよ」

「明日はちょっと大変だから、今日はたくさん食べて早く寝なさい」そういって食卓に出されたのが、巨大なゴキブリの死体なのだ。これは一体どういうこと?と聞くとお母さんゴキブリは言うのだ。「これはあなたのお兄さんよ。昨日、事故で死んだの。ゴキブリは仲間も美味しく食べられる優秀な生命体だからね。人間とは違うのよ。そうそう、お兄さんが残したウンチも美味しいから食べなさい」。そう言われて、私は兄のウンチと兄の死体を食べ、明日地球に攻め入って人類を滅ぼすことを決意しながら寝床につくのだ。

――という世界が真実だったら、私の精神は崩壊する自信があるね。いや、ゴキブリ星人ならまだ自殺できるからマシだ。こんな話はどうだろう。

青い薬を飲むと声がするのだ。「実は真実の世界では、あなたは生命ではなく、ただ意思を持った『モノ』なのだ」。気がつくと私は、何もない部屋の机の上に置かれた黒い四角いブロックなのだ。確かに意思はある。だが、全く動けず、声も出せず。ただただ私はそこに存在するだけなのだ。数十年、数百年、数千年、永遠に私はただそこでモノとして存在するだけなのだ。自殺すらできない。

――という世界が真実でも、私の精神は崩壊する自信があるね。

お分かりだろうか。こう考えると、『世界の真実』の可能性がありすぎて、リスクが高すぎるのだ。そこで私はやむをえずおっぱいを揉んだ。

おっぱいを揉まざるを得なかった。揉むしかなかった。揉む以外に選択肢はなかった。揉まないリスクが高すぎた。別に好きでおっぱいを揉んだわけではない。揉まないで済むならそれでも良かった。でも、揉む以外に私に何ができただろう?もはや私には揉む以外の選択肢は残されていなかったのだ。だから揉んだ。苦渋に満ちた顔で。揉んだ……。

「なんだ、じゃあ結局オマエも世界の真実を知らないんじゃねぇか」というのなら、じゃあお前は同じ状況になったら、青い薬を飲めばいい。そしてゴキブリ星人となって兄の死体と兄のウンコを喰って、次の日地球に攻め込んで、泣き叫ぶ赤ん坊の頭蓋骨を噛み砕いて脳髄を吸すって精神崩壊させればいい。生半可な決意で世界の真実知りたいとか言うんじゃねーよバーカバーカ。

おっぱいを揉まざるを得ない時は、おっぱいを揉め。

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